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主人が見てきたもの

宮城出身の主人。
震災後初めて帰省してきました。

彼の目で見たもの。
彼は何を思ったのか。

あの日以来「心ここにあらず」だった主人。
一度帰るべきだと思っていました。

おととし亡くなった義父。
退職前に勤めていた職場も被害を受けました。
退職後に勤めていた会社も海沿いで津波の被害を受け亡くなった方も居ました。
病気が分かり入院していた病院も被害を受けました。
もしあの日、義父が生きていたら…
いつものようにあの海の近くで仕事をしていたら…
もしまだあの病院のベッドに居たら…
いろんな事が頭をよぎります。

大島の祖父。
お家は海の目の前。津波が2階まできました。
窓ガラスは割れて家の中は2階まで水浸し。
命は助かったけど、住み慣れた家には戻れなくなりました。
漁師だった祖父。あの歳になっても、時に船で海に出てちょっとだけ魚を取って…
そんな生活をしていたようです。
80後半にして受けた被害。命があっただけ良かった。
でも、切ない現実です。

昨年の夏に孫を見せに行った大島。祖父のお家でお茶を飲み、透き通る海で
はしゃいで過ごしました。あの海は…。
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気仙沼の病院に居る祖母。
以前新聞に「震災のショックで痴呆が進むことがあるので注意が必要。」と書いてありました。
その通りに…祖母も震災で痴呆が悪化してしまいました。
今はもうで点滴だけの生活です。

「我が妻が 痴呆になりけり 俺忘れ」

祖父が、痴呆になった妻に向けて書いた句。
娘の家に身を寄せている祖父。今後もその生活を続けることになるようです。
気仙沼の妻のもとに日々会いに行くには遠い距離です。


「今より下はない」


この震災があってからよく聞きます。
下がないってきっとみな分かってるはず。
見ればわかるくらい何もないんだから。
でも、そのゼロからどんな一歩を踏み出すのか、
何もかも、お金さえなくなりどうやって過ごしてゆくのか。

今避難中の方たち。
どうにもならないから、今の状況に身を任せるしかない。

自然がやったことだから。
そんなの分かってるけど、やり場のない気持ちをどこにぶつけるのか。

何が出来る?

考えてもまったくわからない…。

「無力」ってこういう時に使う言葉だ。
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by petitexxpetite | 2011-04-26 16:39 | 日々のこと
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